愚葉土

腐った葉っぱは肥料になるけど、愚かな言葉は何にもならぬ

創作まとめ1: 灯影の悪魔

『灯影の悪魔』

ヒトと火の玉と めだまの話。

本編(完結):後日Web再録予定

f:id:yukiyama03:20200205111252p:image

ヒト:ごく健康で体が頑丈、という以外に取り柄のない一般的な人間。映画鑑賞が趣味。ある日、火の玉を拾ってペットにすることにした。

めだま:燃える三つ眼。知識欲が旺盛。最近は生きるのに必死で、安住の地を探している。鏡が苦手。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あまりに情報が少ないので、本編知ってるひと向け蛇足です。作者が自作品を語るムーブさせてください。ネタバレ含みます。

灯影の悪魔は、かつて創作したくても何にも形にできなくて悶々としてて、友人から「コミティア出ればいいじゃん(笑)」と唆されて生まれた話です。就活が終わった瞬間、その爆発力で描いた。そのせいか露骨に嗜癖が出てて、いま読んで恥ずかしいですね。1発目から眼玉いじりかよ。

当時は風呂場を真っ暗にして、音楽を聴きながら半身浴するのにハマっていたのです。それと、前述の友人からもらったお風呂用のおもちゃを使っていた。

湯船に浮かべる投影機で、点けると天井にまあるい地球の画が映る……はずだった。でも、うちの風呂の天井の高さではピントが合わなくて、よく分からないボンヤリした像が水面の揺れに合わせて天井を蠢くだけだった。そこでふと思ったのが「こいつ喋ったらめちゃくちゃ気持ち悪いな……」ということ。これが灯影の悪魔の始まりです。

その瞬間に聴いてたのは『Tubular Bells, Part 2』でした。だからテーマソングってわけではないですが、この曲って最後に『The Sailor's Hornpipe』という民謡のメロディが入るんですよね。ぐうぜん本編のオチと重なってよかったです。ちなみにあのラストは当時のわたしの限界でした……主人公の生死をわたしは決められなかったよ……。

主人公には密かに「あましょく」というニックネームをつけてますが、あまりに本編が台無しになるのでナイショです。最初からとにかく悪魔にいじめられる役で決まっていたので、そこはかとなく嗜虐心を煽りそうな顔にしてます。でも殴られても平然としてそう。最初は病み気味な設定だったけど、実際描いてみたら ものっっっすごく したたかに育ってビックリしました。

悪魔が三つ眼なのは、僭越ながらラヴクラフトの「闇をさまようもの」をリスペクトしました。主人公と同化するし、明るいとこ苦手だし……。ギリギリまでデザイン考えたけど「目が3つある」って設定以外なにも浮かばなくて、結局2秒で描けるデザインになってしまった。

完結以来あんまし登場していないコンビですが、愛着はひとしおなので折に触れて動かしたいですね。